映画『かがみの孤城』ティーチイン 第3回 内容書き起こし

注意

個人的にメモとして書き留めていたものを書き起こしたものです。細かい言い回し等まで完璧に再現できているものではありません。また内容に誤りを含む可能性があります。ご了承ください。 致命的な誤りがありましたら修正しますのでご指摘をお願いします。

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映画『かがみの孤城ティーチイン 第3回

は=原さん つ=辻村さん

はじめの挨拶

  • は:皆さんの熱気でしょうか、会場が熱い(暑い)。
  • つ:金曜日の遅い時間にありがとうございます。遠方からも来てくださっている方もいてありがとうございます。
  • つ:日本アカデミー賞の受賞おめでとうございます。原作ファンの方からもコメントを頂いている。もう一回見てみたいとの声も。
  • は:たくさんのコメントをもらっているのは嬉しい。特に辻村さんからもコメントいただけたことも。
  • つ:何度か対談させていただき、映画が完成したあとにコメントさせていただいた。わたしが思った通りのものを作ってくださってありがとうございますと。今日はネタバレして話して良いのが嬉しい。アキと同じように、大人になって、原さんと大人同士での仕事ができたのが嬉しい。
  • は:今日はアフレコ台本をもってきたので適当に流す(スクリーンに映す)。矢島さんの台本を増やした部分などが載っている。
  • つ:エンドロールでミオを映すようにしたのは自分は知らなかった。完成間近で言われて嬉しかった。原作の先にあるもの(こう過ごしたかもしれないということ)を作ってくれた。最後まで妥協なく試行錯誤してくださったのではと。
  • は:ミオを入れたのは脚本の丸尾さんのアイディア。絵コンテなどは自分がやった。本編後もストーリーが続くことが描けて良かった。

【Q1】

不登校の状態であった当時、小説を読んで救われた。フリースクールのシーンで先生の目を見れなかった部分にも共感した。どうしてそのような心情が明確にわかるのか。

  • つ:小説を書いたときに同じことを言われたことがある。不登校新聞の取材を受けたとき。取材に6人来て、自分(辻村さん)を入れて孤城だねと話した。そのときに不登校の経験があるのかと聞かれた。
  • つ:自分は不登校の経験はないが、学校を休んだときはあった。釈然としなかったときも。だから一日一日を積み重ねていった気持ちだった。学校は特に楽しくなかった。もし順風満帆ならこんなに学校を舞台にした作品は書かないと思う。なにか忘れものがあるから書いていると思う。
  • は:原作のセリフで映画より細かく言っているシーンがある。ウレシノがフリースクールのことを話しているときにマサムネがフリースクールをバカにして、それに対してウレシノがかばう発言をした。ウレシノはフリースクールの先生に対して「何もしたくない」と言った。これは正しい反応だと思う。何もしたくないのであればそのようにするべきだ。周りにそのように言ってくれる人がいれば。
  • は:ヒーローにならなくても良い。いじめがある現場ではほとんどの人が傍観者。しかしいじめを受ける人から見ると傍観者でも悪だと感じる。ちょっと寄り添うだけでも良い、勇気を出してみてほしい。そのようなことも伝えようとしている。
  • つ:ティーチインで質問を受けて、監督の回答が自分の思ったそのままで言ってくれている。めぐり合わせに感謝。この作品を理解してくれている。

【Q2】

今日は大学をさぼってきた甲斐があった(は:「それは正しい!笑」)。公開後にすぐに見に行ってしばらく離れていたが、今日のティーチインのことを知って来た。「ばっかみたい」というセリフについて、フウカ(真田)が言うシーンがあったが、最後に東条さんも同じことを言うシーンがあった。この2つは全然意味が違っていたと思う。これは意図したものか。

  • つ:それは原作でもあったもの。
  • つ:孤城に集まった7人も同じ境遇ではない。嫌な態度をウレシノにとってしまう。中学生を集めたらそのようなことが起きる。
  • つ:意図したものではないが、響き合うものがあって面白い。外側の視点を持ったセリフになっている。ここに注目してくれたのは良かった。
  • は:こころと東条さんのシーンは気に入っている。東条さんの言葉はその世代の人達に届いてほしい。人生は学校を出たあとのほうが長い。学校で勉強したことはあまり役に立たない。かつて不登校であっても、今は仕事をしていて家庭を持っている人も多い。今がどん底にいるという人に、ずっとは続かないと言いたい。

【Q3】

学校の図書館で司書をしている。この話を子どもたちに勧めることができて嬉しい。原作ではたくさんの伏線があった。映画ではそのあたりはどのように気を配ったのか。こころちゃんのスニーカーの色の変化も伏線か。

  • は:伏線という意味ではコナンのセリフ(真実はいつもひとつ)も伏線になっている。使うには理由が必要だと思った。スバルの時代にはないものなのでそれを伏線とした。
  • つ:試写会で見て、何が起こったのかわからなかった(笑)。
  • は:どこかから苦情がきたらやめようかと。
  • は:コナンのセリフは収録の当日に台本に書き込んでお願いした。
  • は:靴の色の変化は狙ったもの。最初のシーンと最後のシーンで比較をしている。最初は心が重い様子を、最後は力強い様子を。こころの変化が伝わると思った。

【Q4】

原作ではクリスマスにリオンがオオカミ様にプレゼントをあげていた。何をプレゼントしたのか。

  • つ:水守家の想像になる。母はミオを忘れるのが怖く、元気なリオンを見るのは辛いと思っていた。…クリスマスには姉弟の両方にプレゼントを用意する慣習があって、それに関係するものであったと思う。

※ …の部分の話の流れが書き留められておりませんでした。すみません。おそらく「だからリオンを海外の学校に送ったけど」のように続いたのかなと思います。

締めの挨拶

  • つ:あっという間に時間が過ぎてしまった。かがみの孤城が映画になって多くの人に届いた。原さんにこころたちをおまかせして良かった。大学をさぼって来てくれたのも嬉しい(笑)。2回目も見てくれると嬉しい。自分も3回目を見て気づくこともあって、涙が出た。何度見ても驚きがある。何年も残るアニメになった。
  • は:オオカミ様の「善処する」の部分、実は芦田さんの声でも収録してもらっていた。ミオのアフレコのときにも試しに演じてもらってそちらを採用した。芦田さんは「あれっ」ってなったかも。
  • は:この映画は共感してもらえることが多い。辻村さんにもなぜ気持ちがわかるのかとも言われた。物語を読む人にとっては個人(自分)のことになる。J・D・サリンジャー(ライム麦畑でつかまえて)も、若い世代の人たちに「なぜ私のことがわかるんだ」と、つきまとわれるほど言われていたらしい。
  • は:ネタバレは初見のときだけのことなのでたいしたことはない。自分がスターウォーズ帝国の逆襲を公開直後に見たあとに、友達の家に行って「ダースベイダーはルークの父だ」と言ったら、友達みんなは見る気をなくしてしまった(笑)。世間はネタバレを気にするんだなと思った。
  • は:自分はミステリーやファンタジーには基本的に興味がなかった。ただ、「シャレードオードリー・ヘプバーン)」は好きだった。ヘプバーンが綺麗でテーマソングもすごい。犬神家の一族はパクリかもしれない…
  • つ:個人的に良かったのは、最初は孤城に靴下の状態で行って、次からは靴をもっていったこと。これはドラえもんの映画のルーティンになっている。さすが監督ぬかりない。ハケンアニメのときに(原監督のファンの)関係者と話した。その方からレポートがたくさん送られてきた。例えば城の窓の設計が完璧で、シーンに合わせた光が届くようになっているんだとか。
  • は:(終了時刻が迫って進行役に遮られながら)おれはまだ諦めない!
  • は:靴はエスパー魔美のときにはごまかさないようにしようと思った。これがけっこう面倒くさい。今回も面倒ではあった。
  • つ:靴のことは(小説では)考えたことはなかった。
  • は:最後に(こころが割れた姿見に飛び込んでいったときに)机の下から靴を出すようにした。今までそのようにしていたということを示せたと思う。
  • は:拝むようにフリップでやめてくれと言われているので終わります。